2001年10月27日「フードパントリー編」
→つづきから
ホテルで一息ついてから、再度遊びに行くことにした。
ところが、ラッキー氏が、楽しみにしていたスクーバダイビングのインストラクションバディとまだ連絡が取れないようだった。少し部屋で連絡を待ってみると言うことになった。
また、ときかわ氏は、そのまま一息つくことにしたので、置いてゆくことにした。
かくして、二つの部屋に一人ずつ残して、パントリースーパーマーケットでの買い物珍道中が始まるのであった（２７日の分、終わるんじゃなかったのかー）。
ワイキキビーチ沿いであるカラカウア大通りからパオアカラニ通りを入ったところにあるホテルから、クヒオ通りに出てしばらく歩くとフードパントリーがある。スーパーマーケットだが、猫丸にとっては、どんな免税店よりも、宝の山である。
今回の旅の目的は、このフードパントリーにあると言っても過言ではない。
それにしても、目的の多い旅である。
猫丸とぬらりひょん、源さんの３人組の買い物だが、なかなか一筋縄ではいかない。
まずは、フードパントリーの場所がうろ覚えである。さっき通ったときにあった「ディスカウントストア」をまずは目指すことにした。クヒオ通りをしばらく歩き、コンチネンタルサーフを過ぎたあたりだろうか、この先かどうか、怪しくなってきたので、一度戻ることにして、来た道を引き返しはじめた。
すると、一人の女性が猫丸と並んで歩き始めた。
女「Hi Aloha !」
とりあえず、見ず知らずの人になれなれしく声をかけられたら、無視するに限る。
女「Do you like SEX ?」
最後の言葉だけは、中学生でも理解できる。というよりこの女、外国人にも理解できる簡単な英語でしゃべっているとしか思えない。更に女の攻撃は続く。
女「Play SEX with me」
猫「No Thank you !」
女「No money enjoy SEX !」
食い下がる食い下がる。お金がないのかお金が要らないのか解らないが、関わりにならない方がいい。心臓病を煩って障害者手帳を持っている者も、足をつぶしたばかりで指が繋がったばっかりの者もひたすら無言で、少し小走りになりそうな速度になってきた。障害も怪我も、この恐怖にはかなわなかったようだ。
相手は５０歳にはなっていようかという大柄の白人女性。緑色のタンクトップに白いショートパンツという姿だが、あちこちの肉が垂れ下がっているのが解る。後にぬらりひょんが「金もらってもやだ」と言わしめたバディの持ち主である。４人の競歩レースは２分は続いたろうか。目の前に暇そうに歩く薄毛頭の初老の男性がいた。
要するにハゲ頭のオヤヂだが。オヤヂとすれ違った直後、後ろを振り返ると、件の女性がターゲットをオヤヂに切り替えたようだった。振り切った。
歩調を元に戻す。
源「ノーサンキューも通用しなかったねぇ」
ぬ「まだいたんだなぁ、ああいうのが」
源「なんにせよ、もてるね猫丸さん」
猫「全然うれしくない。」
目の前を見るとオーシャンリゾートワイキキと、その向こうにホノルル動物園の森が見える。やはり今の道で合っていたのだ。
猫「というわけで、引き返さなければならない。」
ぬ「げ、マジで？まだいるよ。」
猫「うーぬ。でも、さっきの親父を追って道を渡ったようだったぞ。」
源「実はテリトリーがあるとか」
謎ではあったが、とにかく目的の店に行くには、引き返さなければならなかった。
勇気を振り絞って今来た道を再び引き返したが、エッチの押し売りやさんはいなかった。先ほど一度引き返した場所の信号を渡ったすぐそこに、ディスカウントストアはあった。
店の中は、ABCストアとそれほど変わらない品揃えと価格帯。単にABCストア傘下に入るのを拒んだだけの店だったのかもしれない。
特記事項もないので、旅を続けよう。
この店のすぐ裏手にフードパントリーはあった。宝の山である。
猫丸の目標は、FritoLayのトルティアチップスである。これと、同じく、FritosのCheese Dipを大量に詰め込む目的で、あの空っぽのトランクをわざわざ持ってきたのだ。
猫丸にとっては、すでにおなじみとなっている缶詰のディップソース、瓶詰めのディップソースをやたらバカでかいショッピングカートに放り込む。問題はトルティアチップスだった。
やたら嵩張るのがはっきりしているので、前回の旅では買わなかったのだが、日本で売っているトルティアチップスは、味付きの物ばかりで、ディップすると味が濃くなり過ぎる。
今回は、しばらく楽しめるだけの量を買っていくことを決意していた。最初は、見たことがないパッケージだったBite Size Roundsをカートに入れたが、ノーマルサイズを一袋。続けてもう一袋。
後ろを振り向くと、源さんがあきれ顔をしている。
源「なにそれ？」
猫「これ買いに来たんだもん」
源「そんなに食べられないでしょー」
猫「持って帰るんだよぉ」
まだ不思議そうな顔をしていたが、とりあえず他の物も物色。源さんの「まともな反応」は、ある意味で新鮮だった。源さんは、今夜のつまみを物色しているようだった。
度重なる小雨に濡れて体を冷やしたせいか、猫丸もちょっと風邪気味。体調を整えるために、バナナ一房とミルク・・・ミルクは・・・えーと、２リットルより少ないパックはないのかしら？ま、いいや、３日もあるんだから。一番成分調整の幅が少なそうな健康そうな牛乳を一本。
本当はパパイヤを買って帰りたかったのだが、ご存じの通りアメリカのテロ事件以来、飛行機への刃物の持ち込みが禁止されていて、いつものスイスアーミーナイフや、大事なソムリエナイフも持っていない。
これらのナイフは、とっさの時にまるたやのチーズケーキを切ったり、突然頂いたワインをあけたりと、重宝していたのに。
文句を言っても始まらないが、とにかく刃物を使わずに食べられるバナナはゲットした。
その頃ぬらりひょんはというと、貪欲に怪しげな食品を物色していた。この怪しげな食品については、ぬらりひょんの原稿を引用する。
まずは販売向けのビデオだと思ってた物がレンタルビデオだったことが驚きですね。
食品ですが、チョコバーが色々売っていたんだがみんな凄まじく甘そうな物が一杯ありました。
大きさも日本で売っている物よりも２周り位大きく現地のお子様はこれを一人で２本くらい平気で食べるんですよねぇ。
縦も大きいが横にも大きくなるわけだ（^^;
他にも巨大な冷凍ピザやレトルトの妖しい食品などありましたが解凍する手段やお湯を沸かす設備が無かったので購入は断念しました。
他にも袋麺で韓国産の激辛ラーメンもいくつか発見しましたが、持ち帰る時に割れてしまうのは目に見えていたので購入はしませんでした。
あとは何故かチーズ売り場に子持シシャモや、スナック菓子売り場にステーキ肉があったり、みやげ物の場所にパンがあったりと客の身勝手さが目立ちましたね。
で、私が買ったのは源さんが焼酎などを買ったそうなんで薄切りソーセージを買ったんだが、スパム程ではないにしろやけにしょっぱいソーセージでした。
問題は源さんである。
寝酒にするつもりか、酒の瓶を抱えている。焼酎である。楽し〜いお酒、JINROだ。ハワイまで来て、焼酎。何もマリブココナッツリキュールを買ってこい、マティーニを飲めとは言っていない。しかし、日本で高い酒税を払ってアメリカの酒を飲むことを考えると、安いアメリカや、ヨーロッパのハードリカーがいくらでも転がっているのに。なぜに日本産。やはり日本が恋しいのか。
かごの中を見るとやたらバカでかいチューブワサビとキッコーマンソイソースが入ってた。それから、セロリ。これもアメリカンサイズで「ちょっと」と言うにはあまりに大量だった。この組み合わせは？
欲しい物は手に入れたので、鮮魚コーナーなどにも立ち寄ってみたが、もしかしたら、ここの刺身は、食パンを切るあのスライサーか何かで、切ってるのでは？べちゃっとした感じで、あまり食べたいとは思えなかった。
それこそポキにして食べた方がいい感じ。食材そのものは太平洋の食べ物という点で、似通っているのかもしれないけど、日本の食文化には至っていないのか。
このコーナーで源さんがかごに入れたのは、「かにかま」。またもや謎の食材である。日本のかにかまがズワイガニなら、ここのはタラバガニかタカアシガニに相当する。
つまり、ワサビと醤油はこのかにかまのために買った物だと思われるが、なぜにセロリ。醤油とワサビでセロリを食うのか。ミステリアス・ジャパン。→つづく
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