10月31日日本編

2001年10月31日「陸路編」

→つづきから

ついに最終話である。やっと手がかかったという感もある。というか、もうほとんど覚えていない。

飛行機は何の問題もなく（水掛問題はともかく）成田に到着し、検疫も無事通過。
まてよー、なんかここでも源さんが洗いざらい鞄の中をぶちまけられていたような気がするけど、気のせいかな。

いや、気のせいじゃないだろう。
猫「なんだか、誰にでも怪しまれるね」
ぬ「怪しいんだよ」
と「いかにもなんか持ってそうなそぶりしてるんだよね」
と、とんでもない言われ方をしていたような気がする。

その前にも荷物を２周回していたような気もするし、なんだか最後まで楽しませてくれたような気もする。あぁもぉ、気がするばっかり。

まぁ、相変わらず閉鎖中の南ウィングなので、慣れない北ウィングからこれまた慣れない成田エクスプレスのホームへ。

ところで、話はかなり戻るのだが、「猫丸ダイビング帰着編」で、MAXコーヒーを紹介したのを覚えているだろうか？
千葉茨城限定商品であり、「これはもはやコーヒーなどではない」と言われるほどの甘さを誇る（といわれる）缶コーヒーである。
成田は、ロビーの日立のハイビジョンテレビに千葉テレビ放送が映し出されていたことでも解るように、きっちり千葉県である。
ふと見ると、ホームの自動販売機に、なんとMAXコーヒーが。・・・たぶん行きの時にもあったのだろうが、気にもしていなかったせいか覚えがない。

迷わず購入。もう一本購入。さらにもう一本。いいおみやげが出来た。と、言いながら例によってNEXの中で一本開ける。
甘い。甘い。う〜。写真を拡大してみて頂ければ解るのだが「ミルク入り」とある。およそ缶コーヒーはミルク入りのものが大半だが、これは違う。もしMAXコーヒーをご自宅で飲んでみたいなら、こんなレシピではどうだろうか。

＜MAXコーヒー猫丸風レシピ＞
・コーヒー１５０ｍｌ
・コンデンスミルク３０ｍｌ
・生クリーム２０ｍｌ
・牛乳５０ｍｌ

ちょっと言い過ぎかも知れないが、ほぼこんな感じでできあがると思われる味。

こんな風に猫丸個人としては、旅の思い出に浸りながら、最後の千葉土産まで堪能して東京駅までの道のりを楽しむつもりだった。
ハワイの街角でピックアップした各種ブローシャー、フライヤーなどを整理しながら、MAXコーヒーをちびちびやっていた。この帰り方は、各種展示会などに行った帰りと同じである。

猫丸とときかわ氏、みっちゃんとはるさんとラッキー氏は、どうにか一つのボックス席に収まったのだが、ぬらりひょん氏と源さんだけは別のボックス席にいた。

これがある少女の不幸の始まりであった。二人が別のボックス席にいたという事は、当然のように相席状態である。
ぬらりひょんと源さんの関の前にはちょっとモー娘。（恐るべしATOK15「もーむす」と入れただけで句点までつけてくれた）の保田圭に似たおねぇさんが座っていた。

この電車に乗っている人は、成田に見送りに来たか旅行の帰りかのいずれかである可能性が高い。
この少女も（いつのまにか少女になっている）ご多分に漏れず、韓国帰りだそうだった。

それも、源さんが聞き出してくれた。源さんくらいの役者になると、その辺の小娘は平気で会話に乗ってくるようだ。このレポートは時々席を立って一つ空いた我々の席に息抜きに来た際にレポートしてくれたものである。

少女が一通り韓国の土産話を話し終わった頃、悲劇が始まった。
土産話というものは記憶が新しいうちに人に話して再度旅行を追体験するものである。この追体験を通して旅行をさらに楽しいものにふくらめ、思い出深いものにしてくれる。
ここで、源さんの追体験が始まってしまったのである。

まさに追体験の暴走。少女にとって、友人との韓国の思い出を胸に、初老男性の夢の中に放り出されたようなものである。
源さんの話は、もちろん荷造りから始まったようだった。
千葉山中を走り抜けるライナーの中で、少女の魂は成田からユナイテッドで飛び立ち、ホノルルに立ち、土産物を物色し、酒を飲み、歩いてゆく追体験を正確にトレースしていた。

人の記憶とは曖昧でもあり、儚く脆いものである。様々な記憶が入力されることで、シナプスの並列が変わり、鮮度を失った記憶は思い出されることも容易くなくなる。

列車が東京駅に滑り込む直前に源さんの追体験記憶移植は完了した。
写真はすべての移植が終了した直後の隠し撮りである。
無惨にも放心状態であることがうかがい知れる。

この旅行を通じ、様々な局面で、源さん台風が猛威をふるっていた。猫丸にとっては「おちゃめな源さん」という認識だったが、他の皆さんにとって必ずしもそうではなかったことが様々な報告から認識できた。
しかし、ここに来て誰もが思ったようだ。

「俺が最大の被害者というわけではない」

終わりよければすべてよし。最後まで「えらいめにあった」と思って終わるより、なんぼかましである。
保田圭似の少女には悪いことをしたがそれでも誰かを救うことが出来たのだ。自分ではそうは思わなくとも、人を救うことは出来るのだ。

なぜこの原稿を書き上げるのを急いだのか。もちろん、365日をすぎてしまうことはさけたかった。
それに保田圭は、来年2003年春にはモー娘。を卒業してしまう。象徴的に後藤真希も昨日（2002年9月23日）をもって卒業してしまった。
実は、昨日書き上げたかったのだ。

まぁ、一日くらいなら、よしとしよう。
ご愛読の皆さん、長文失礼致しました。そしてこの旅行記を読んでハワイ旅行の参考にしようと思った皆さん。あまり参考にならなくてごめんなさい。

この旅行記を参加できなかったひめとネットジャム劇団員すべてに捧げます。